栃木県よろず支援拠点コーディネーターに聞く 第2回 小峰 俊雄 コーディネーター

 栃木県よろず支援拠点のコーディネーターをしております小峰です。
 私は、平成28年4月に栃木県よろず支援拠点のコーディネーターとなりました。それまでは銀行で10年ほど財務コンサルタントを担当していました。銀行での実務経験を地元栃木県で活かしたいとの熱い思いから栃木県よろず支援拠点のコーディネーターになり、早いもので6年が経とうとしています。
 現在の担当地区は、栃木県内でも主に栃木市・佐野市・小山市・下野市の県南地区ですが、私の専門分野である事業承継、創業、販路拡大、各種補助金の申請相談、ネットワークを活かしたビジネスマッチングを担当しています。

 私がコーディネーターとして心がけていることは、中小企業の皆さんの夢実現です。夢実現のために現状とのギャップをいかに改善するかに全力で取り組んでいます。まだまだ先の見えないコロナ禍ですが、長引くコロナの影響で働き方やビジネスモデルも大きく変わりつつあります。アフターコロナではなく、しばらくはウイズコロナとしてのビジネスモデルの構築が求められるのではないでしょうか。
 そうした厳しい社会環境ですが、今回は明るい話題として世界遺産である日光二荒山神社と四つ葉のクローバーの研究家である鈴木一男氏とのビジネスマッチングの支援事例案件をご紹介したいと思います。

支援事例

 四つ葉のクローバーは皆さんご存知の通り「幸福」という意味を持ち、4枚の葉が「希望・誠実・愛情・幸運」を表しています。また、自然発生率は1万分の1ということで、見つけると幸せが訪れると言われています。
 鈴木一男氏は、たまたま大手ショッピングモールで四つ葉のクローバーを見つけたのがきっかけで、趣味の一環として自宅で四つ葉のクローバーを栽培始めました。それがいつの間にか、自宅の庭のほとんどが四つ葉のクローバーで埋め尽くされ、NHKの朝の生放送で放送されたりしてマスコミで大きく取り上げられました。

すべてが四つ葉のクローバーの鉢

  そんな折、世界遺産に登録されている日光二荒山神社が以前から四つ葉のクローバーを御神木の元に植え、参拝者の方々に幸せになってほしいとの思いから四つ葉のクローバーを探しているとの情報提供を日光市にお住まいの知人から受けました。

 早速日光二荒山神社に鈴木一男氏と訪問して齋藤芳史権宮司と面談し、四つ葉のクローバーを奉納したい旨相談したところ、快くお請けいただくことになりました。もともと齋藤芳史権宮司も四つ葉のクローバーにはかなり造詣が深い方でした。齋藤芳史権宮司も「コロナ終息後多くの人が四つ葉のクローバーを見て幸せになってほしい」との思いもあり、樹齢700年の御神木のもとに四つ葉のクローバーを植栽することになりました。実際に御神木の元に四つ葉のクローバーを植栽したところ、かなりの参拝客の方がこの四つ葉のクローバーを見つけて、笑顔になるそうです。

日光二荒山神社の入口

 日光二荒山神社は「日光の社寺(日光東照宮、日光山輪王寺、日光二荒山神社)」として、世界遺産に登録されています。そのため日光二荒山神社にはコロナ前は国内はもとより海外からも沢山の参拝客が訪れ、日光を代表する観光スポットにもなっております。
 また、日光二荒山神社は招福や縁結びの神様で、建造物23棟が世界遺産に登録されており、すべて重要文化財になっています。近くには日光の社寺の入口にあり、日光のシンボルとも日光の表玄関とも称される神橋もあります。

 コロナ禍において外出自粛制限もあり、参拝者の数はコロナ以前まではまだ戻りませんが、日光二荒山神社は恋人の聖地やパワースポットとしても有名です。そこで今後の展開として、斎藤芳史権宮司のアイディアで鈴木氏が育てた四つ葉のクローバーをカードにして、多くの方に幸せがくるように参拝者向けに配布を検討しています。現在は、そのクローバーカードのデザインを検討しているところで、早ければ11月には神社としては珍しい本物の四つ葉のクローバーを押し花にした「四つ葉のクローバー」カードが誕生します。
 是非日光二荒山神社をご参拝の折には、御神木の根本に植栽された四つ葉のクローバーも鑑賞してください。

御神木と四つ葉のクローバーの花壇(左から鈴木一男氏・齋藤権宮司・小峰CO)

 今回の支援事例はほんの一例で、このように栃木県よろず支援拠点では幅広い支援を専門家27名がビジネスマッチングや廃業・創業・事業承継・IT関連・デザイン・法律相談など幅広く支援しております。是非中小企業経営者の皆様が困った時には、あまり悩まずに下記連絡先までご連絡ください。


※本稿は、公益財団法人栃木県産業振興センターが発行する情報誌「産業情報とちぎ」11月号に掲載された内容です。