【矢口先生シリーズ第4回】社長、その考え方で大丈夫ですか。

1.組織とは何かを考える~小規模企業の問題点~

 小規模企業に組織は必要か、その前に組織とは何かを考えてみたい。
一般的に二人以上の人が共通の目的に向かう時に必要な「分業」と「調整」の仕組みといえる。社内での部門や役職の相互関係、また指揮系統や予算の配分、役割や権限を明確にすることである。また、組織図の作成目的は、組織管理のために役立たせ機能をスムーズにするためともいえる。

 しかし、小規模企業でも社長に就くと社屋の有無、従業員数や売上規模、さらに自らの肩書など対外的なことが気になり、まずは組織図づくりに取りかかろうとする。自らの会社の役割や責任を明確にすることは重要であるが、自社の活性化などよりも対外的なことを気にして着手する例も見受けられる。


 下図は一般的な組織図であり、その目的は部門間の相互関係、指揮系統の一本化などの管理機能を発揮するために作られたものである。トップに社長が、その下に経営陣や管理職、そして一般従業員という形で配置されている。当然、それぞれの機能を果たす人たちの人数はピラミッド型のように底辺は複数人となり、上にいくほど少なくなりトップは1人の社長となる。中堅企業や大企業であれば、ゼネラリストやスペシャリストなど多くの従業員によって形成されているのでこのような組織形態を採らざるを得ない。また、分業体制や適材適所などの配置による効率化が可能となっている。

 では、小規模企業でも全く同様に考えてもよいのだろうか。
多くの小規模企業からの経営相談を受けているが、問題点の原因を探っていくと必ずと言ってもいいほど社長にたどり着くのである。前にも述べたが(※1)、例えば営業成績が悪い会社の場合、その原因を社長に聞くと営業部長が責任を果たさないとか能力が低いとかの言い訳をする。でも、その営業部長は誰が任命したのかといえば、社長自身ではないか。資金繰りでも、製造部門の非効率でも・・・社内おけるすべての諸問題の根源は一体どこに、誰にあるのかを問いたい。

※1【シリーズ第2回】なぜ、社長の責任は重いのか
https://tochigi-yorozu.com/staff_blog/syatyonorikiryou/

2.社長の役割や責任について

 小規模企業の社長の役割や責任について考えていきたい。
下図は先ほどのピラミッド図の全く正反対の逆ピラミット図であり、小規模企業における社長の責任の重さを現わしている。従業員が少ないため組織化の必要性はなく、むしろ社長の意思決定力が会社の存亡を決定づける。安定感はなく、いつ倒れてもおかしくない状態にあり、またその支えとなっているのは社長一人である。したがって、社長の意思決定に間違いが生ずればただちに逆ピラミッドは倒れてしまう。

 社長が支える小規模企業は、顧客には商品やサービスを通じて満足を提供し、社員とその家族には幸せを、取引先とは良好な関係を築いて繁栄を与え、そして、これらを全体が社会全般の発展などに寄与する役割を担っているのである。故に社長の責任は重く、自らの使命や役割を常に認識して社長業に携わっていくべきである。

3.社長の最大の特権

 社長の責任や役割を述べたが、同時に夢や将来ビジョンも持つべきである。重い責任を持つ反面、大きな夢や希望をもって突き進んでいくことも必要である。厳しいからこそ夢の実現という大きな課題に挑戦できるのである。これはトップの位置にある社長がまずもって得られる最大の特権である。 従業員は社長の背中を見て行動や判断をしている。夢や大きな目標に向かっている姿を従業員がみれば、従業員もまた社長同様に夢に向かって進もうとする意欲がわき出てくるものなのである。

栃木県よろず支援拠点 コーディネーター 矢口 季男